院長あいさつ
鹿児島生協病院は1975年『市民病院』としてスタートし、現在は12万人を越える組合員さんの出資で運営されている鹿児島医療生活協同組合の総合病院です。同時に当院は全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)に所属し、民医連綱領のもと「無差別平等の医療」を理念にいつでも、どこでも、だれもが安心して受けることのできる良い医療・福祉をめざして、救急医療・慢性疾患管理・健診・在宅・介護など幅広く医療・福祉活動にとりくんできました。
2009年2月から運用をはじめた回復期リハ病棟(40床)を加えて現在306床としての病棟運営を行っています。入院件数も救急患者を中心に年々15%程度増え,2011年度にはいってからは毎月450件となっています。療養病棟(40床)も含め,切れ目のない治療・療養を提供出来るようになりました。
また4月から『無料低額診療制度』を開始しました。国が国庫財政からの支出を減らしていくため保険料も年々上がり,窓口負担の増加で具合が悪くても病院にかかれない状況があふれています。そんな現実を何とかいっしょに克服できるように取り組みを強めたいと思います。同時に『人権を尊重し、安全で信頼される医療を地域の人々とともにすすめます。』という病院の理念のもと,今後もいっさい差額ベッド料をとらない診療を続けていきます。
今年起こった東日本大震災と原発事故は,いまでも進行中の現実の問題です。廃棄物の処理が出来ない原発は,そもそもシステムとして自然界や人間社会に存在すべきではないのです。どんな理屈をつけようとも人間とは共存できないことを我々は知りました。今までと同じ事を続けるための復興では未来は切り開かれません。震災のなかで『絆』がひとびとの心を温める一方で,人と人とのつながりが疎になりコミュニティーが壊され続け,今日本は大きな不安の中に漂っています。そんな中TPPを「新たな開国」と詭弁を使いながら,関税という独立国の自主権をアメリカ売り渡そうとする政府のやり方に無責任さを感じます。
いままでのこの国のありようを根本的に変えなければ,医療介護の現場は憔悴していくばかりです。日本国憲法25条の生存権は国に国民の健康を守る義務を求めています。社会保障は国民一人ひとりの権利であるという視点で,今後もいい医療をつくる運動を地域の皆さんとすすめていきたいと思います。
今年当院は日本医療機能評価機構の認定更新,卒後臨床研修評価機構の認定を受けました。1975年の開院時から、『離島診療所で力を発揮できる総合力を持った医師養成』を始め,奄美医療生協の3院所(奄美中央病院,南大島診療所,徳之島診療所)への医師の配置を行ってきています。これからも『地域が求め,地域が育てる総合力を持った医師養成』を続けながら,地域に開かれ地域とともに歩む病院として頑張りたいと思います。
2011年12月 鹿児島生協病院

院長 馬渡耕史












